11.6. 進化との関連 : 体内の癌の発生
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骨肉腫などの癌の発生に関する進化的な視点からの研究 腫瘍を癌細胞の集団として考えると、進化は腫瘍の生育を進展させ、癌治療に対する癌細胞の反応性に影響することになる 進化する集団はすべての環境の許容量以上の子孫を生産する能力をもつこと
癌細胞の増殖は明らかに満たしている
集団の中の個体間に多様性が存在すること
腫瘍細胞のDNA研究により、腫瘍内部に遺伝的な多様性が存在することが明らかとなっている
集団の中の多様性が個体の生存および繁殖の成功に影響すること
実際に、癌細胞の間に突然変異が蓄積することにより、正常な細胞分裂の制御機構がますます効かなくなっていく、悪性腫瘍の細胞の生存を増強する突然変異は、その細胞の子孫の細胞に伝えられる
すなわち、生物個体の集団と同様に腫瘍は進化する
進化の視点からは、癌を「治療」することが容易ではないことを説明できるが、一方で、新たな治療法への道が開拓されている
たとえば、ある化学療法に感受性のある細胞だけが分裂できるようにしていく「優先的」腫瘍の形成を試みている